六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「うん? 今あたしのこと凛って呼んだろ? あたしも名前で呼んじゃ駄目だった?」
「だ、駄目じゃないですっ」
「じゃー、琴。あたしの名前は?」
「り、凛、ちゃん……」
な、なんか恥ずかしい……っ。相馬さんは確信犯だよ絶対! 琴が恥ずかしがるってわかって言っているよ!
「琴ちゃん! 私は?」
「さ、咲雪ちゃん……」
さ、咲雪ちゃんは全然わかってないよ! ――って、これって名前で呼んでいいよってことなのかな? な、名前⁉ それってなんかものすごく友達っぽい!
「咲雪、琴、遊びながらでいいから帰ろーぜ」
「はーい」
「え……」
こ、琴も一緒に帰っていいの……?
戸惑いを隠せないでいると、司さんが琴の腕を引いた。
「帰ろ! 琴ちゃん!」
笑顔。琴に向けて見せてくれたそれはただ純粋で、すごく――憧れた。