六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「うん? 落ち着いてきた?」
「……うん」
「よかった。これからは、雷のときは傍にいるようにするからね」
「……これから?」
「今までは知らなかったから。でも、ちゃんと知ったから、傍にいるようにするよ」
「……うん。お願い」
「かしこまりました」
雨はまだ止まないけど、雷の音は離れて行っている。
この感じならもう少ししたら――
ピンポーンッ
と、チャイムが鳴った。
「あ、晃くん、少し離れても大丈夫?」
「……だめ」
「うー、じゃあこのままでもいいから玄関まで行ける?」
「……行く」
晃くんに抱き付かれたまま、私は玄関ドアを開けた。