六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「相馬とは中学以前は面識ないな」
「ふーん? じゃああたしとも親しくなるか?」
「遠慮しとく。相馬はなんか怖いから」
「琴のことも苗字で呼んでよね! 昔のこと話したら確実に殴りに行くから!」
「……わかったよ」
琴ちゃん、本当にマジメになる気あるのかな……。
「さゆ、巽も呼んでいいか? なんか居心地悪い」
「……それは主(おも)に前のお方の目線の所為だと思うけど……いいよ」
琴ちゃんの眼光、鋭すぎ。晃くんが巽に電話をかけに行っている間も、ドアの方を睨んでいた。
「琴、お前ってどれが本性なの? ヤンキー気質が地?」
凛ちゃんが、軽く禁断の質問っぽいことを訊いていた。
琴ちゃんは一転、いつも通りな八重歯をのぞかせた天使の笑顔を見せる。
「どっちかって言うと今の琴が素かな。ヤンキーだった頃の方が猫被っていたって言うか、装ってたから」