六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「不良な猫ってどんなだ?」
「百戦錬磨」
「マジか。負けなしか」
「うん。琴が相手してたの女の子だけだけど、殴り合いっこなら負けなかったよ」
「うん。可愛く言っても殴り合いっこのどす黒さは隠せないな」
「むー。晃がばらさなきゃ知られなかったのにー」
「晃くん、ばらしてないよ? 三年以上一緒にいる私も知らなかったし」
「……咲雪ちゃんはなんで黙ってたの? 琴は中学んときのこと、知られたくなかったからだけど」
「……晃くんって女子に人気あるじゃない?」
「まーあたしは興味ないけどな」
「琴も晃なんてどうでもいいー」
ズタボロじゃないか。学校イチのイケメン。
「私みたいな奴が近くにいて批判を喰らうのが嫌って言うか、女子同士のいがみ合いとかほんと苦手で……。晃くん目立つから、せめて接点は隠しておきたいって言う私のわがまま」
「それなら琴もわかる。女子の間って陰湿なんだよね」