六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「好きだけど……甘いのなの?」
「しょころあ、じゃなくて、ショコラね、チョコ菓子だよ」
「俺も作り方覚える」
「……雪村くんって主夫入ってるんだ……」
琴――三科に冷めた瞳で見られた。
「だって晃くん、ずっとおうちのことやってたものね。主婦レベル私より高いよ」
「さゆ、だからそういうの恥ずかしいから……」
「ごめん、でも私が晃くんを尊敬してるのはずっとだから」
「……えー、何このコント……」
三科がボソボソ言っているけど、気にしない。
ただ、さゆとのやり取りが楽しい。
取りあえずふぉ……ふぉんだん、しょこら? 初心者の俺は作るとこを見ていることになった。
さゆと三科が作業を始める。
「咲雪ちゃんって、藤沢くんと小学校一緒なんだっけ?」
「うん。更に言うと保育園から今まで一緒だよ」
「幼馴染過ぎるね」
「いやあ。それほどでも」
「……藤沢くんて、甘いの好きかな?」
三科が小さな声でそう言った。
あ、そういうことか。