六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
さゆと琴が作ったフォンダンショコラが出来上がった頃、またチャイムが鳴った。
「こ――三科、さゆと一緒に迎えてやって」
巽だろうと推測をつけて言う。素直なさゆは特に疑問もないようで、「はーい」と玄関へ向かった。
琴はぎこちない動作(右手と右足が一緒に出ている。古典すぎる)で、さゆのあとについて行った。
「よー咲雪、三科。俺も来ちゃってよかったの?」
「晃くんが男子一人じゃ居づらいからって」
「だろーな。お邪魔しまーす」
「ふ、藤沢くんっ」
「はい?」
……玄関の方からやり取りが聞こえる。
なんとなく相馬を見ると、ニヤニヤしながら玄関の方を見ていた。
……相馬は知ってるのか。さゆだけ知らんのか。
「あ、甘いの好きですかっ?」
さっきさゆが答えただろーが。
「うん、好きですよ」