六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「咲雪、そうやって雪村にいじられてるあんたを見る度に、これが学年トップかって疑問に思うわ……」
「凛ちゃん、何をディスっている?」
やや毒舌気味なのは昔っからな凛ちゃんだ。
私の目がまた昏(くら)さを帯びる。
「いや、だって常にトップの雪村と、タイになるか二位につけるかの咲雪だからさ。ほんとに頭いい奴って普段はこんなんなのか? って。普段から頭いい雰囲気とかないんだなーってさ」
「あいつは素で頭いいの! 私が努力してこの結果なの! 天才と凡才は並べちゃダメなの!」
「盆栽? 咲雪ちゃん、古風な趣味あるのね~」
「いや、琴ちゃんそれは漢字変換が違うって言うかもはや大いなる誤解だよ……」
にっこりする琴ちゃんは、若干天然が入っている。
私はなんと説明すればいいかわからず手をうようよさせる。
琴ちゃんに正しく説明するのはなかなか根気がいるんだ。