六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
二人掛けのソファを示して、まるで家主のようなことを言う相馬。
ちらっとこちらを見て来たのは、俺も企みに乗れってことだろう。
「相馬と三科がやたら菓子買って来たから」
「こんな天気だからさ、家に一人の咲雪を盛り上げてやろうと思って来たら雪村もいたわけよ」
「おー。じゃあ俺もお邪魔しまーす」
相馬が一人がけのソファで、俺とさゆはラグに座る。
すると巽の隣は半強制的に琴だ。
琴は終始小さくなっていた。
……手伝っても怒りを買うだけだろうから、巽と琴のことに、俺は関わらないことを決めた。
「なー雪村。さっき琴が、『前の苗字』とか言ってたけど、親、離婚とか再婚とかしてんの?―――」
―――。
ティーカップを持ったまま、一瞬固まった。
「凛ちゃん」
答えられなかった俺に代わって遮ったのは、さゆだった。
「凛ちゃん、琴ちゃん、それ以上は駄目だよ」