六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「うん、まあそうかな。で、さゆに彼氏いるって話だっけ?」
「そう、さっきから一言も喋らないこいつ」
と、巽と琴と相馬、三人が俺を指さして来た。
青山は俺をじーっと見た後、さゆを見上げた。
「さゆにこんなイケメンの彼氏……。さゆ、惚れ薬でも盛ったの?」
「さすがにひどくない⁉」
さゆが大きく反発した。どういう意味だ青山。
「そうだね、惚れ薬を盛るんならむしろ雪村くんがやりそうなことだし……」
琴もひでえよ。
けど、そんくらいしないとさゆは俺を見ないような気もする……。
「えーっと?」
「……雪村晃」
「晃くん。さゆ繋がりでよろしくー」
笑顔で一方的に手を取られ、握手した形でぶんぶん振られた。
……晃くんて呼ぶな。腹立たしい。