六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】



「やー、旭が同じ学校になるなんてびっくりだったよー」


帰ってから、いつものように並んでキッチンに立つ。今日はクリームシチュー。


さゆは今日ずっとご機嫌だ。俺の不機嫌も知らずに。


「仲いいんだな」


……少し嫌味っぽい口調になった気もするけど、さゆは全然気づいていないようだった。


「まー昔馴染みって奴だからねー。最初のライバルだし」


……やっぱ、さゆもそういう認識なんだ。


「でも、今は晃くんがいるから」


「………」


え?


「晃くんがライバルだから、今すっごい楽しいんだ。おまけに? 一緒に暮らしててとっても幸せだし」


「―――」


……そ、そういう可愛いことを言うな……。


「晃くん?」


黙り込んだ俺を不審に思ったか、さゆが顔を覗き込んでこようとした。


慌てて更に顔を背ける。

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