六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
side咲雪
――不覚。気付いたら、ソファで寝落ちしてしまった。
晃くんの言葉が嬉しくて、しみてきて、なんだかとっても泣きたくなって、晃くんの背中を借りて泣いた。
……気づいたら、晃くんに膝枕? されていた。
真上には目を閉じた晃くんの顔。
少し揺れて見えるから、晃くんも寝てしまっているのかもしれない。
な、なんでこんな格好になっている……?
「………」
晃くんの顔をまじまじと見るのって、意外と初めてかも。
いつも近くに居過ぎてちゃんと見てなかったかも……。
晃くんは、大嫌いな父親にそっくりな自分の容姿を嫌っているけど、私は好きだな。声も好きだな。晃くんのこと……好きだな。
旭と再会して、唐突に気づかされた。恋心ってやつに。
私、旭のこと好きだったんだ、って。