六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
「さゆ、青山のこと好き?」
「ぶほっ」
夕飯の支度もすぐに出来て、向かい合って座った途端、晃くんからそんなことを訊かれた。
「旭? えーと、好きだった、かな? 小学生当時の、過去形ってやつ?」
私が今好きなのは晃くんだから、――あれ? そう言えば私、いつから晃くんが好きなんだろう?
旭のことも、何年も経った今、好きだったって気づいたくらいだから、もしかしたら結構前から好きだったのかも……。
「過去形?」
「うん。今の旭は、比べるなら巽と同じ感じかな。仲のいい男友達」
「……ふーん」
「晃くんにとっての琴ちゃんみたいな感じ?」
「……だとしたらさゆ、青山にすごい勢いで嫌われてることになるぞ?」
「え、琴ちゃんって晃くんのこと嫌いなの?」
「……どう見ても敵視しかされてないだろ、あれ」
言われて、日ごろの琴ちゃんを思い出してみた。うーん……?