六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】


「さゆ、ちゃんと見てねえと手までむくぞ?」


「え? あ、ああ」


晃くんに注意されて、皮むきに集中する。


ちなみに晃くんは、お母さんたちの仕事をバイトみたいな感じで手伝っている。


私も出来たらいいんだけど……今のところ、学校の勉強と家事だけで精一杯なんだ。


晃くんほど頭もよくないし、要領もよくない。


お母さん同士が親友になった縁で、晃くんとは家族ぐるみの付き合いというやつになった。


中学のときはひた隠しにしたけどね! だって晃くん、中学んときからハイスペックのルックス良しで、先輩同輩後輩に止まらず、他校生からまで告白されまくっていたから、関わって悪目立ちしたくなくて。


んで、せめてお母さんに心配や負担をかけまいと、私は勉強に集中しまくっていた。


おかげで高校は授業料免除の特待取れたけど、それは晃くんも同じ。


ってか、勉強に集中しまくっているうちに、何故か私と晃くんはライバルということになっていた。


晃くんは常に学年トップで、私は一位タイになったり、二位になったりがずーっと続いていたからだと思う。

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