六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】
5 ヤクソク
side晃
……翌、朝のホームルームが始まる前、隣からやたら視線を感じる。
「……なに、青山」
「いやー、晃くんってほんとキレイな顔してるよねーって思って」
「……それ、最悪」
俺は、自分のツラと声ほど嫌いなものはない。
「あ、そうなの? ごめん、不躾に」
あ、引くんだ? 深くツッコんで来なかったところは好印象だ。ツラと声は俺の地雷だから。
「晃くんてさ、さゆと一位争いしてるんだって?」
「……別に、そんなんじゃない。周りがそう取ってるだけ」
「そうなの? でも付き合ってるんでしょ?」
さゆ、青山には話してないのか。本当に付き合っているわけじゃないって。
昨日、俺をさゆの彼氏だと名指しした三人はそれを知っているんだけど。
……もしかして青山っていじられるタイプなのか?