ツインタワー
駅を歩いてふと、前を見てみると……






「…………ッ!!!」




人ごみの先の方に愛しいあの人の姿を見つけた。




居るはずがないと自分に言い聞かせたけど、心臓がドキドキがどんどん速くなっていくのがわかった。




亜里沙があたしの異変に気づいたみたいで何か言っているけど耳に入らない。




先の方にいるあの人しか見えなくて……




涙が出そうだった。




「………仁くん。」




仁くんはこっちに向かって歩いてきている。



かっこいいのは相変わらずで、背も高くなっていて……




仁くんとすれ違った人は「今の人かっこよかったね!!!」などと言っていた。




頭の中が真っ白で心臓の鼓動しか聞こえない。
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