恋は思案の外
それでこの場に残されたのは、例のスウェット男とわたしのみとなった。
瞬きを繰り返しながらも隣の男(ヒト科)を見上げてみる。うん、どう見ても怪しさ全開だ。
「なにお姉さん。ハッ!もしかして俺………誘われてんのか」
「ちがうわゲス野郎!なにが『ハッ』だよ、ふざけんなよ!なんで小学生が出てくるんだよ!」
うっわ!思わず手中にある紙袋をシワになるほど握り締めながら、突っ込み大会でいい線までいくんじゃないかと思えるくらい声を張り上げる。
なにコイツ、もうホント無理、やだ。早く生き返ったハヤテ号に乗って家に帰りたい!
「ああー、うーん、店番してもらってるからぁ」
「うわっ」
「あからさまに引いたよな今。よし来い、ベッドインしようか」
「嫌だよ!て言うか小学生の人権!おまわりさーん、駄目な大人がここに居るよ!」
「シーーーーーッ、お姉さんシィッ!いいんだよ、奴らの大好きなプラモをやってんだから」
「やだもう関わりたくない!帰るよハヤテ号っ」
「待てって!お姉さんは運命の相手ってことで300円引きにしてやるから、落ち着け」
「はぁ!?てっきりタダだと思ったのに!」
プラモで小学生を釣りました
(どんだけケチなんだよこのヒト科生物ッ)
*saki