恋は思案の外
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「………ハッ!」
あれ?もしかしてわたし、今、寝てた…?
今日もスーパーのレジに立っている、平日の午後2時。
昼休憩が終わりお腹もいっぱい。あたたかな日差しが降り注ぐ1番レジカウンター。
……とにかくネムイ。
たぶん、いや間違いなく、立ちながら寝てた。
なんて器用なの、自分。
そういえば、なにかの夢を見ていた気がする。
バレンタインデーのときよりはるかに規模の小さい、ホワイトデーの地味な飾り付けを横目で見た。
さっきまで何の夢を見ていたのかぼうっと考えていたけれど特に思い出せない。
まあ、思い出せないということはきっと大した夢ではなかったんだろう。
「鳳さん……」
小さな声が聞こえた。その声をたどると先にいたのは店長だった。
どうしたんですか、と問えば「いや、その半目はちょっと接客向きではないかな…」と遠慮がちに言われる。
どうやら眠すぎて半目を晒していたようだ。
「今はお客さんも少ないし、少し休憩をとってもいいよ」
「鳳 いろは。 休憩をとらせていただきます」
間髪入れずに答えたそれに、店長は苦笑いをこぼした。
10分くらいで戻ってきてね、という店長に頷いてふらふらとバックに下がる。