恋は思案の外
結束バンド開発した人ってマジで神だと思う
ホワイトデーに乙女心の擽られるプレゼントをもらってから、早数週間。
春の気配が少しずつ増している外をボーッと見つめながらレジで棒立ちするわたし。
時刻は午後2時半。ちょうどお昼のピークを超えて、まあまあ暇な時間帯である。
「お姉さん」
「…」
「おねえさーん」
「…」
「お・ね・え・さーん!」
「うるさい!!」
せっかく気分よく外を眺めていたのに!盛大な舌打ちをお見舞いして、今日も飽きずに98円パックジュースを持ってきたヒト科を睨みつける。
「ねえなんでそんなに俺に対して辛辣なん?俺客よ分かってる??」
「ご来店ありがとうございました。またのお越しはお待ちしておりません」
「店長ォオオ!!!いろはの俺に対する接客マニュアルまだ直ってねぇんだけど!?」
泣きそうな顔で店長に助けを求めるヒト科を、蔑んだ目付きで見遣るわたし。