恋は思案の外




事務所で待たれるのは絶対にイヤだ!

最早前例がありすぎて恒例となりつつあるこの日常。一体全体どうしてこうなった?





「分かった。絶対逃げんなよ?来なかったら家に押し掛けるからな」





無駄に甘美に染まった声音でそんなストーカーまがいの台詞を落とすこの男。

ストーカーキャラはあの警官だけで充分ってか、お腹一杯だっていうのに―――嗚呼、こんなことを口にしたら「呼んだ?」と奴が出現しそうだから絶対に言わないけれど。

鼻歌まじりでスーパーをあとにするヒト科をげんなりとした視線で見送る。

今日もこの街は色んな意味で元気のようです。



< 116 / 132 >

この作品をシェア

pagetop