恋は思案の外




ふんぞり返って仁王立ちで奴を見下ろす。偉そうだって?ワザとだよ、ワザと。




「……ビックリしすぎてチビんなよ?」

「何そのしたり顔。てかチビらんし!乙女にそんなこと言うのアンタだけだよ!!」

「まーまー照れんなって。準備はいいか?」

「照れてねーよ!その脳みそどうなってんの!?」




折角穏やかな気分でスーパー出たのにホント台無しだよ!もはや突っ込まずにいられない自分の性分を恨みつつ、マイペースすぎるヒト科を半開きの白目で見つめた。

そう言えば、ヒト科はずっと背になにかを隠しているような仕草をしている。

ニヤリと口角を上げた奴は後ろ手に掴んだその"なにか"を、わたしの眼前へと引っ張ってきた。





「……え!」





思わず零れ落ちた声音。ヒト科の手には、なんと愛くるしい身形の子猫が抱えられていたのだ。



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