恋は思案の外
「おいいいいアンタ!!!」
「えっいろは!?どうしたのこんなところで!? ハッ、もしかして運命──」
「おいコラ運命とはどういうことだクソガキ。いろはは俺のだっつってんだろ」
「色々と聞き捨てならない台詞があったんだけど!? てか警察!!アンタなんでその格好で酒なんか飲んでるんだ!!」
申し訳程度に敷かれたレジャーシートの上に散乱している酒瓶たち。そしてツマミの数々。
夕暮れの空をカラスが「カァーカァー」鳴きながら飛んでいく。
それを見たタマが興奮してぐるぐる回るものだから、ヒト科はリードでお縄状態になっていた。
折角日没を見ながらゆっくり一人花見をする予定だったのに、アンタたちいつでもどこでも出現するな!?