恋は思案の外



「おいいいいアンタ!!!」

「えっいろは!?どうしたのこんなところで!? ハッ、もしかして運命──」

「おいコラ運命とはどういうことだクソガキ。いろはは俺のだっつってんだろ」

「色々と聞き捨てならない台詞があったんだけど!? てか警察!!アンタなんでその格好で酒なんか飲んでるんだ!!」




申し訳程度に敷かれたレジャーシートの上に散乱している酒瓶たち。そしてツマミの数々。



夕暮れの空をカラスが「カァーカァー」鳴きながら飛んでいく。

それを見たタマが興奮してぐるぐる回るものだから、ヒト科はリードでお縄状態になっていた。




折角日没を見ながらゆっくり一人花見をする予定だったのに、アンタたちいつでもどこでも出現するな!?


< 130 / 132 >

この作品をシェア

pagetop