恋は思案の外



「2円のお返しです。ありがとうございましたー」



ちなみに今のお客様は学ランを着た学生さん。


近くの学校に通っているみたいで、結構な頻度でお店に現れては何か買って帰ってくれる。



彼はぺこりと頭を下げてそそくさと帰ってしまうけれど、このスーパーの良い常連様のひとり、だ。








「すんませーん。 これ、お願いしまぁす」

「あ、はい。いらっしゃいませ」



おっと、そうこう言ってる間に次のお客様がレジに並ばれていたようだ。



イケナイ、イケナイ。

今は仕事中。気を引き締めないと。




そう思い、にこりと営業スマイルを浮かべてお客様からペットボトル飲料を受け取――





ポロッ。





――るとき。




目の前を、何か小さな物体がぽろり、落ちていった。



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