恋は思案の外
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ぱちり。
開いたばかりの寝惚け眼が一番最初に映したものは、白い太陽の光で。
眩しい、と思った。
「―――…。」
「……な、に………?」
そのあと背後からわたしの耳朶を擽る穏やかな寝息に気付き、寝起きのマヌケな掠れ声を発した。
「…え……、」
妙に背中が暖かいと思えば。
わたしの身体に巻き付く、見覚えの有り過ぎるヨレヨレのスウェットが、段々冴えてきた頭に届く。
「ひえ……っ、」
男にがっちりとホールドされている、この状況も。
ちょ、え。
なにこれ。なにこれ。
え、な、なななっ、何が起こった!!?
この数時間で一体何が――
「数時間……?」
そこではた、と気付く。
窓から差し込む白い光。
狭い4畳に舞う埃をキラキラと輝かせて。
ピーチクパーチク鳴く、雀。
これはもう――
「もう、朝じゃ……?」
ようやく知ったその逃れようのない事実にくらりとする頭を抱え、うーんうーんと唸る。
サンサンと照り付ける太陽も元気よく追いかけっこしている雀も、この世界のすべてがわたしを嘲笑っているかのようだ。