恋は思案の外
不意打ち爆弾投下されました






皆様いかがお過ごしでしょうか。

先日は運悪く大荒れの空模様でお送りしましたが、本日は見てくださいこの快晴ぶり。




「お疲れ様です!お先に失礼しますっ」

「あらー、いろはちゃん張り切ってるわねぇ。これから用事か何か?」

「えへへへへ!」





パートで先輩のおばさんからの問い掛けに全力の笑顔を向ける。

そうさそうさ!何て言ったって今日はこれからパートナーのハヤテ号(チャリンコ)とおデートなんですから。


午前シフトだったため直ぐに駐輪場へと直行する。

今日のわたしはどうやら星座占いで良い順位を獲得したらしく、あのヒト科に遭遇することも無かったのだ。

鼻歌混じりにスキップで歩を進めていれば、スーパーの入口近くにある駐輪場なんてあっという間。









「(お待たせハヤテ号ッ)」



さすがに声に出してこれを言うと通報されそうだから、心の中に留めておく。










ぐいぐいと鞄の奥底から引っ張り上げたのは、銀に輝く解錠アイテム。

ハヤテ号が盗まれでもしたら大変だ。だから、二重ロックは欠かせない。絶対に何がなんでも二重ロック。


じりじりと肌を焼く太陽。一応日焼け止めクリームは塗っているけれど、不安は拭えない。

そろそろ夏も近付いているから、本格的に紫外線対策に乗り出さないと。




「よ、っと」






そんなことを思いながら、わたしはハヤテ号に跨ってペダルを漕ぎ始めた。









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