恋は思案の外
「俺、アンタに一目惚れしたかも。」
「あ、マジか。」
あまりにも非現実的すぎて「そんな話信じられるかよ」っていう思いが相手の語尾に被せるように言葉になった。
「って、え? ヒトメボレ?」
「そう、ひ・と・め・ぼ・れ」
「は?」
やばい。
わたしの頭の情報処理機能が全く役に立たない。追いつかない。処理しきれない。
っていうかこれは処理しちゃダメなやつ!!!
「そりゃぁもう、目からウロコが落ちるくらいの衝撃を受けた訳よ。」
「それ、ウロコじゃなくてコンタクト!」
もう!ぶっ飛んでる!
いろいろぶっ飛んでるよ、このひと!!
「いやぁ、まさか本当にウロコが落ちるとはな」
「だからコンタクトだっつってんだろーが!頭おかしいよアンタ!」
やだあああああ!!
ホント、勘弁してええええ!!!!
そうして店内に響き渡るわたしの叫び声と、見た目だらしなさ100%のぶっ飛んだことをいうヒト科生物。
「っつーことでとりあえず結婚して。」
「なんでだよ!しねーよ! いっぺん死んでこい!!!」
――嗚呼、なんだかはちゃめちゃな日々が始まる予感。
目からウロコが落ちました
(ウロコじゃねーよ!コンタクトだよ!)
* imu