セカンド レディー


「あっそ。そりゃ、大変だな」


表情ひとつ変えない。

言葉だけで、同情している訳では無い。

騙されるどころか興味さえ示さない。


なんなの、この人…。



「お前がどうしようが俺には関係ねぇ。けど、ガキが興味本位で来んな」


男はその言葉だけ残すと、あたしに背を向け夜の街に消えていった。



…ガキじゃねぇよ。

近くに落ちていた空き缶を蹴飛ばすと、カランカランっと音を立てながら転がっていく。


大人っぽく見えるけれど、多分、1つか2つしか違わない。


それなのに、ルックスがよく大人っぽいことを武器にして。


……卑怯なヤツ。
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