セカンド レディー
「だーかーらっ!今いねぇって」
「なんで置いてきてんだよ!マジありねぇから」
幹部室に入る1歩手前。
ドアの向こうでは何やら言い争っている声。
1人は流牙くん。
そして、もう1人は聞きなれた男の声。
なんで、
彼がここにいるの……─────。
「柚姫?」
後ろに立つ恭平くんは、あたしが幹部室に入らないのを疑問に思ったのか、名前を呼ぶ。
あたしは、ゆっくりと幹部室のドアを開けた。
「噂をすればなんとやらってやつじゃん。おかえり〜」
「柚姫、こっち来い。紹介する」
目の前にいる男は、目を見開いて固まっている。
やっぱり、あの声……
優牙くんだったんだ。