セカンド レディー



あたしの中にあった疑問がこれ解決。



流牙くんと同じ名字にどことなく似たオーラ。


ただ、雰囲気は優牙くんの方が穏やかだけど。


そして、ここは幹部以上しか入れない。


そこに彼がいるってことは、幹部以上のここのメンバーだったってこと。




「なんで、柚姫がここに…。つーか、新しい姫ってまさか……」



「ん〜?」



あたしの中の悪いスイッチが入る。


多分、ここにいるメンバーはあたしと優牙くんの関係を知らない。



少し遊んじゃおっかなぁ〜?



一歩ずつ、優牙くんの方へ近づき、彼が座るソファへ行くと、彼の膝の上に座る。


彼の首の後ろに両腕を回し、顔を近づけると、



「そう♡あたしがその姫ってやつ」



口角を上げて、にっこり微笑んだ。




「柚姫さん、顔近い」



真顔、低い声で返される。


大抵の男は、頬を赤く染めて簡単に堕ちるけれど、優牙くんは1ミリも動じない。



「そんなことより、あたし優牙くんに会いたかったんだ〜。あたしがここにいるって知らずに来て会えるなんて、もう運命じゃん♡」



ギューッと抱きしめて、愛を伝える。


いつもより少し高い声。



ここの人たちにとっては、ぶりっ子の演じられたあたしにしか見えない。


だけどね、優牙くんにとっても同じだと思う?


後ろから感じる、殺気を混じえた複数の視線。



あたしの予想が正しければ、優牙くんもみんなにとっては尊敬している人の1人。


そんな人に、こんな汚い女が近づいてるなんて、信じられないよね?



…これは、1つのカケに過ぎない。


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