セカンド レディー
「お前らこそ手出すなよ。柚姫のこと傷つけたら絶対に許さねぇから」
そこにいるのは、普段の穏やかな優牙くんじゃない。あたしの知らない優牙くん。
低い声も鋭い目付きも、流牙くん以上。ううん、もはや比べ物にならない。
あたしと優牙くんとの間に男女のカンケーは一切ない。
だけど、何度も夜を一緒に過ごしているのは本当だし。
あたしが猫かぶりなのも本当。
それにさ、あたし…優牙くんに隠してることが多すぎるんだよ。
優牙くんも色々感づいてることはあると思う。だけど、あえて気づかないフリをしている。
あたしは、これからも一度ついた嘘を突き通すし、自身のことを話すつもりは無い。
だからこそ、あたしの事を信用してくれている優牙くんを、あたしはいつかきっと裏切る……────。