セカンド レディー


「流牙……」


俺の左手をそっと掴み、か細い声で名前を呼ぶ唯花。



「……なに?」



いつもの優しげな甘い顔とは違い、暗い表情を浮かべ何か気に病んでいるように捉えられた。



「…おいで」


そっと、握られた手を引き、総長室に入る。


2人きりの静かな部屋にしばらく沈黙が続いた。



「あのね…」



唯花の頬を伝う1粒の涙。











「私ね、柚姫のこと…​───────」




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