セカンド レディー
ていうか、流牙くんも頭いいみたいだし、兄弟揃って天才とはねぇ…。
…って。
あれ?ということは……。
「ねぇ、優牙くん。ここ、分かる?」
数Bの教科書を出して、範囲の中から適当に選んだ問題を聞く。
「等差数列?懐かしいねぇ」
うん、
今一気に光が差し込んだ気がする。
「…優牙くん、お願いがあるんだけど」
「勉強?いいよ」
流石、察しがいいと色々助かる。
それから、テストまでの間、優牙くんはあたしに勉強を教えてくれた。
流牙くんと優牙くんは兄弟でも全然違う。
流牙くんには怒られてばっかりだけど、優牙くんは怒らず、むしろ解けたらすごく褒めてくれる。
そのおかげか、嫌いな勉強も全然苦じゃなかった。