セカンド レディー
「行くところなかったらいつでも来ていいって言ってんのに…」
スプリングの音を立てベッドに腰掛けると、優しくあたしの頭に触れた。
「優牙くんには、これ以上迷惑かけらんないよ…」
「迷惑なんて思ったこと、一度もねぇよ」
優しく投げかけられる言葉。
その言葉に、胸がチクッと傷んだような気がした。
「優牙くんは優しいなぁ…」
男は簡単にあたしに堕ちる。それでも、優牙くんは絶対にあたしを好きにならない。もちろん、ラブの意味で。
それに、他の男と違ってあたしに媚びたりしない。いつだって与えられるのは、素の優しさ。
出会ったころから良くしてくれて。彼には本当に感謝している。
男を好きにならない自信があるあたしも、優牙くんだけは別。彼に関しては、好きにならないって言うよりも、"ならないようにしている"と言う方が正しいかもしれない。