セカンド レディー




「…ん」


あれ…?

目を覚ますと、あたしの体はまだ流牙くんの腕の中だった。


「起きた?」


そっと頭を撫で続ける大きな手。


「…ずっと、こうしてくれてたの?」


「ぐっすり寝てたから」



カンケーを持っている男は、行為が終わると、先に帰るか、起きたらいないかのどっちかだった。


目を覚ました時、誰かがいてくれる事なんて滅多にない。

それが余計に、あたしの心を安心させると同時に、彼に対して心を許してしまいそうになった。



だけど…。



「こういうの、良くないよ。唯花が誤解する…」


そっと流牙くんから体を離す。


あたしが大事なのは自分じゃない。


ヤったとかヤってないとか、そんな証明出来ないものじゃなくて、2人でいる事実が何かしらの誤解を招いてしまうかもしれない。



「それ、さっきも思ったけど…」


ちょうどその時、流牙くんの言葉を遮るように彼のスマホが鳴った。


「悪い」


一言断りを入れると、彼はスマホを手にし耳に当てた。


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