セカンド レディー



「シャワーありがとう」


お風呂から出ると、リビングでは優牙くんが、朝食の準備をしていた。と言っても、飲み物だけだけど。


「わりぃ。紅茶切らしてるからコーヒーでいい?」


「やだ、いらない」



コーヒーなんて苦いだけじゃん。あんなの、あたしの飲み物じゃない。



「砂糖とミルク入れてやるから」


「砂糖2つね。じゃないとやだ」


こんなこと言っているから、子どもだのガキだの思われるのだろうか。




「ほら」


出されたコーヒーを1口飲むと、口いっぱいに甘みが広がった。


優牙くんは絶対に飲みたくないって言うけど、コーヒーの苦さを感じさせない甘みが、あたしにはちょうどいい。

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