セカンド レディー
「みんな、ごめん………。酷いこと言って、傷つけて………」
「柚姫ちゃん……」
目の前で両手を広げる瞬くん。
あたしは、促されるようにその両腕に包まれた。
「なんでハグ……?」
「おかえりと仲直りのハグ」
「じゃあ僕も」
「ったく、じゃあねぇな」
「じゃあ俺も」
「俺も」
もう…。
暑いし苦しいよ……。
だけど、不思議と嫌じゃなかった。
「…唯花は?」
みんなから離れるとソファに座る。
みんなはいるけれど、唯花の姿はなかった。
「風華の動きが激しくて、ここもいつ襲われてもおかしくない。今は、学校が終わるとそのまま家に送るようにしてる」
…あたしのせいで。
あたしのせいでまた、唯花が傷つく。
もう、そんなの嫌だ……っ。
この戦いを、終わらせなきゃいけない。
それができるのは、蓮の狙いである、あたしだけ。
「……今日はね、全部を話に来たんだ」
もう、後には戻れない。
あたしは、一呼吸おいて話し始めた。