セカンド レディー


「柚姫!おはよう…ってなにこれ!?あんた達、また柚姫の机に落書きしたでしょ!」



そんなあたしでも、味方でいてくれる子がいた。



それが唯花だった。


唯花はこんなあたしを嫌がらず、いつもそばにいてくれた。





「ねぇ、唯花。あたしなら独りでも大丈夫だよ?」


このままだと唯花まで虐められるかもしれない。

大切な友達に傷ついて欲しくない。

だから離れようと思った。


それなのに…


「私は柚姫がいないと嫌だよ?」


唯花がそれを許さなかった。



「私は、柚姫のことが大好きだもん!何があっても、絶対に離れないからね」


にっこり笑う彼女に、本当は救われていたのかもしれない。

地獄のような毎日でも、唯花がいてくれたから頑張れていたのかもしれない。










「如月さん、少しいいかしら?」


ある日の放課後、唯花と一緒に帰ろうとしていると、担任の先生に呼び止められた。



「あたし、もう帰るから」


遅くなるとママが心配だもん。


早く帰らないと、あの男が…。


< 216 / 297 >

この作品をシェア

pagetop