セカンド レディー
「柚姫!おはよう…ってなにこれ!?あんた達、また柚姫の机に落書きしたでしょ!」
そんなあたしでも、味方でいてくれる子がいた。
それが唯花だった。
唯花はこんなあたしを嫌がらず、いつもそばにいてくれた。
「ねぇ、唯花。あたしなら独りでも大丈夫だよ?」
このままだと唯花まで虐められるかもしれない。
大切な友達に傷ついて欲しくない。
だから離れようと思った。
それなのに…
「私は柚姫がいないと嫌だよ?」
唯花がそれを許さなかった。
「私は、柚姫のことが大好きだもん!何があっても、絶対に離れないからね」
にっこり笑う彼女に、本当は救われていたのかもしれない。
地獄のような毎日でも、唯花がいてくれたから頑張れていたのかもしれない。
*
「如月さん、少しいいかしら?」
ある日の放課後、唯花と一緒に帰ろうとしていると、担任の先生に呼び止められた。
「あたし、もう帰るから」
遅くなるとママが心配だもん。
早く帰らないと、あの男が…。