セカンド レディー


「ねぇ、ちょっといい」


休み時間、隣の席の男子とお喋りをしていると、すごい剣幕で声をかけてきたのは、このクラスのリーダー的存在と、その取り巻き。



名前は……なんだっけ?


生憎、女に興味が無いあたしは、覚えることすらめんどくさいと思ってしまう。



「なぁに?」



吐き気がするほど、甘ったるい声。



女相手に仮面を被ることはほぼない。だけど、隣に男がいる以上、あたしはどんな時でも"男に愛される如月柚姫"を演じる。



決して、仮面の下を見せないように​────…。

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