セカンド レディー
「…先に髪の毛乾かしてもいい?」
けいちゃんは、今のあたしを知ったらきっと軽蔑する。
髪の毛を乾かして、服を着て、出ていく準備はしておこう。
サーっと髪の毛を乾かし、洗面台に置かれたヘアオイルを借りる。
借りた服は、あたしには大きすぎるため、パーカーのみ借りることにした。
髪の毛をひとつに束ねると、リビングに戻り、あたしはおばさんの家であったことを話した。
「…柚姫」
名前を呼ばれ顔を上げると、パチンっとデコピンされた。
「痛いっ!何するのさ」
「バカやろー。なんでそこで知らないやつの家に泊まろうと思えんだよ。学校の友達とか他にいるだろ」
学校の友達…か。
学校のことはけいちゃんには話していない。
今のあたしにとって、友達って呼べる人、いないもん。
近所の人も警察も、信用出来ない。
誰頼ればいいのか、もう分からない…。
「そっちもそっちでなんかあったか…」
何かを察したけいちゃん。
そのせいか、それ以上は何も聞かなかった。