セカンド レディー


「とりあえず、暫くは泊まればいい。家に帰れるように母さんとも話はしておくから」


…本当は帰りたくない。


だけど、あたしは所詮中学生。


自分の力だけじゃ生きていくことなんかできない。


今のあたしはそうするしかないのかもしれない。




けいちゃん家でお世話になっている間、あたしは学校を休んだ。


学校で自分を偽ることも、男とカンケーを持つ生活にも疲れきっていた。


何もしたくない、何も考えなくない。


ただ、ぼーっとして過ごしたかった。


それでも、けいちゃんに言われて、仕方なく学校へ行くけれど、抱えたストレスを発散させる方法が見つからずあたしは帰宅すると暴れた。



「…またやったのか」


大学から帰ってきたけいちゃんは、荒れた部屋を見て唖然とする。



ここに来て何度目か分からない。



「一回、病院行ってカウンセリング受けるか?」


けいちゃんの問いかけに反応しなかった。


今の状態でもキャパオーバーすると言うのに、あたしはまた、仮面を被る相手を増やさなきゃいけないの…?



そんなの、耐えられるはずない。

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