セカンド レディー
「柚姫ちゃん、お腹すいてない?お夕飯、何食べたい?」
ニコニコと微笑みかける、分かりやすほどに変わったおばさんの態度。
…気持ち悪い。
「なんであたしをまたここに戻したの?何が目的なの?」
低く冷たい声に加えておばさんを睨みつける。
この一変した態度、何かあるとしか思えない。
「あの日、離婚の話が出たの。だけど、柚姫ちゃんを帰るように説得すれば離婚はしないって言ってくれたわ。家族は一緒じゃなくっちゃね」
それって…。
あの男との関係を続けるためにあたしを利用したってこと…?
ニッコリ微笑むおばさんにゾッとした。
「中学を卒業するまでは面倒見てあげる。だけど、卒業したら出ていってもらうから」
「こんな家、言われなくっても出ていく…」
おじさんと離婚した時点で、あたしとおばさんは赤の他人。
それでも、あたしの事を置いてくれていた。
それには素直に感謝する。
そして、中学卒業をしたら、あたしを解放してくれることにも。