セカンド レディー





中学校生活最後の冬。


この時になれば、少しずつ学校に行けるようになった。


相変わらず猫被ってるけど。


周りは受験一色。


だけど、あたしは受験するつもりなんてなかった。


このまま卒業したら働いて自分の力だけで生きていく。


ママは言ってた。



"女はいつだって強い"



あたしは誰かを利用しても、誰かを頼ることはしない。



一人で生きていく。


そう、決めていたのに…​─────。






「ダメだ。高校は行け」



だけどけいちゃんは賛成してくれなかった。



「あたしの人生、あたしが決める」



猫被って自分演じることにも男と体のカンケーを持つことにも、噂に振り回されることにも、全部に疲れた。



この街を出て、誰もあたしのことを知らない街でやり直したかった。


全部リセットしたかった。



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