セカンド レディー
「頼むから。柚姫にピッタリの高校あるから」
そう言われ紹介されたのは、ここから電車で20分ほどの距離にある赤羽高校だった。
都内でも有名な不良高校。
校則は緩く、バイトも許可されている。
おまけに、そこそこの偏差値はあるはずなのに名前を書けば受かると有名な高校。
それでもあたしは高校なんて行くつもり無かった。
互いに譲ることを知らないのか、言い争いは毎日続いた。
そして…。
「もう分かった」
先に折れたのはあたしの方だった。
あたしはほんの少しだけ期待していたのかもしれない。
狂ったあたしもあたしの人生も、環境が変われば何かが変わるのかもしれないと。
そんなこと、あるはずないのに…。