セカンド レディー
「マジ?東中の如月柚姫がいるって」
「さっき廊下ですれ違ったけど、人形みたいだった」
「レベチすぎる」
あたしはけいちゃんに言われた通り…ほぼ強制的に、高校に進学した。
そして、おばさんとの約束通り、あたしはあの家を出て今は一人暮らし。
ただ、あの家との縁は完全に切ったため支援は全くない。
あたしは今日から、自分の力だけで生きていく。
「え?知らないの?東中の如月さんだよ。援交してるって噂だよ」
「やば…」
「声掛けたら誰とでもヤレるんだって」
「引くんだが…てか、キモ」
高校に入学しても、あたしはいつだって噂の的だった。
淡い期待を裏切る、何も変わらない、このクソみたいな毎日。
…人のことコソコソ話して盛り上がって気持ち悪いんだよ。
*
「如月ちゃん」
「なぁに?」
甘ったるい猫なで声。
自分でも吐き気がする。
「如月ちゃんって誘ったらヤらせてくれるって聞いたんだけどさ〜どお?」
確か、隣のクラスの…。
彼も遊び人で割と有名な人。