セカンド レディー




「マジ?東中の如月柚姫がいるって」


「さっき廊下ですれ違ったけど、人形みたいだった」


「レベチすぎる」



あたしはけいちゃんに言われた通り…ほぼ強制的に、高校に進学した。


そして、おばさんとの約束通り、あたしはあの家を出て今は一人暮らし。


ただ、あの家との縁は完全に切ったため支援は全くない。


あたしは今日から、自分の力だけで生きていく。




「え?知らないの?東中の如月さんだよ。援交してるって噂だよ」


「やば…」


「声掛けたら誰とでもヤレるんだって」


「引くんだが…てか、キモ」



高校に入学しても、あたしはいつだって噂の的だった。



淡い期待を裏切る、何も変わらない、このクソみたいな毎日。



…人のことコソコソ話して盛り上がって気持ち悪いんだよ。










「如月ちゃん」


「なぁに?」



甘ったるい猫なで声。


自分でも吐き気がする。




「如月ちゃんって誘ったらヤらせてくれるって聞いたんだけどさ〜どお?」




確か、隣のクラスの…。

彼も遊び人で割と有名な人。



< 262 / 297 >

この作品をシェア

pagetop