セカンド レディー
「いいよぉ」
にっこり微笑み上目遣いで彼を見る。
誰とも付き合わないと言われていた中学の時とは打って変わって、高校では、誘えば簡単にヤらせてくれると噂が広まった。
あたしの人生もあたし自身も狂っていて、二度と綺麗だったあの頃には戻れない。
だからこそあたしは、自分を捨てた。
それに、噂だけ広まるのも癪だから事実にしたんだ。
そうすることで、何を言われても
"本当のこと"で片付けられた。
*
入学して3ヶ月が過ぎた時、あたしに大きな変化が訪れた。
その日は、放課後、男とカンケーを持ったあと、ブラブラと繁華街を歩いていた。
時間は夜9時頃。
「お嬢ちゃん、こんな時間に何してんの?」
「ん〜?暇だなぁって思って」
声をかけてきたのは、30代後半のサラリーマン。
お酒を飲んでいるのか、少し酔っ払っているように見えた。
それにしても、お嬢ちゃんって…。
「暇ならおじさんと一緒に「なにすんの?」」
おじさんの声を遮るように、別の男の声が響く。
ネオンの光に照らされてキラキラ輝く金色の髪。
その間から見えた、いくつものピアス。
驚くほど整ったその容姿に、思わず目を奪われた。
「な、なんだぁーきみはー」
酔っ払っているせいか、それともこの男のオーラに圧倒されているのか、おじさんの声は震えていた。