セカンド レディー



「いいよぉ」


にっこり微笑み上目遣いで彼を見る。



誰とも付き合わないと言われていた中学の時とは打って変わって、高校では、誘えば簡単にヤらせてくれると噂が広まった。


あたしの人生もあたし自身も狂っていて、二度と綺麗だったあの頃には戻れない。



だからこそあたしは、自分を捨てた。


それに、噂だけ広まるのも癪だから事実にしたんだ。


そうすることで、何を言われても
"本当のこと"で片付けられた。







入学して3ヶ月が過ぎた時、あたしに大きな変化が訪れた。



その日は、放課後、男とカンケーを持ったあと、ブラブラと繁華街を歩いていた。



時間は夜9時頃。



「お嬢ちゃん、こんな時間に何してんの?」


「ん〜?暇だなぁって思って」


声をかけてきたのは、30代後半のサラリーマン。


お酒を飲んでいるのか、少し酔っ払っているように見えた。


それにしても、お嬢ちゃんって…。



「暇ならおじさんと一緒に「なにすんの?」」


おじさんの声を遮るように、別の男の声が響く。


ネオンの光に照らされてキラキラ輝く金色の髪。


その間から見えた、いくつものピアス。


驚くほど整ったその容姿に、思わず目を奪われた。



「な、なんだぁーきみはー」



酔っ払っているせいか、それともこの男のオーラに圧倒されているのか、おじさんの声は震えていた。

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