セカンド レディー
「体、痛くない?」
蓮は温かかった。
今まで、夜を重ねる度に汚してきたこの体を浄化するかのように、優しくあたしを抱いた。
男とカンケーを持つことは、あたしにとっては自傷行為みたいなもの。
だけど、蓮とは違った。
自然と、体が蓮を受け入れた。
あたしのぽっかりと空いた心に上手くハマったような気がした。
こんなこと、初めて…。
「ヘーキ、だよ…」
隣に寝る蓮の体をギュッと抱きしめると、大きな腕が再びあたしを包み込んだ。
男なんて大っ嫌い。
消えていなくなればいい。
今までずっとそう思いながら生きてきた。
だけど、こんなにも優しくて温かい人がいたなんて知らなかった。
初めて男に抱いた感情。
遊び人のあたしが一人の男に抱いた感情。
だけど、この感情の名前が、あたしには分からなかった。