セカンド レディー
「…ずっと会いたかった。やっと、見つけた……っ」
あたしの存在を確認するかのように、あたしの体を包みこむ蓮の身体。
初めて聞く、震えた苦しそうな声。だけど、あの頃と変わらない温もりもそこにはまだあった。
蓮はあの頃と変わらない。その優しさを今も持ち続けている。
それなのにどうして…。
どうして、霜華を……誰かを傷つけるようなことをするの…?
あたしの知っている蓮は、平気でそんなこと、出来る人じゃないでしょ?
「……蓮、あのね」
泣きそうな蓮の顔をじっと見つめる。
ちゃんと、話し合お。
お互いが、納得するまで。
あたしには、蓮を1人にした責任がある。
そして、霜華の一員としての責任も。
「……蓮っ!フロストが攻めてきたっ。すぐに来いっ!」
開けられたままになっている扉の外から飛び込んできた言葉。
昨日、陽向くんが持たせてくれた小型のGPS。
スマホだと、もしものことがあった時、得策じゃないということで別で身につけていたもの。