セカンド レディー



「…俺は、一時の感情で、フロストを……柚姫の仲間を傷つけ過ぎた。 もう、後には引けないんだ……。
部屋を出て真っ直ぐ階段を登れば、誰にも会わず外に行ける。………逃げろ」


そっとあたしから体を離すと、あたしと唯花を縛っていたロープをほどいた。




……どうして?
蓮の目的はあたしでしょ?



今、あたしが逃げたら何も変わらない。

蓮の心は、二度と救われない…。





「柚姫、行こ」



あたしの手を引く唯花の左手。


……ごめん、唯花。

………みんな。


あたしには、蓮を孤独に陥れた罪がある。再び孤独にさせることなんて出来ない……。



「あたしは、蓮と話をしに来たの。お願いだから、もう、やめて……」


ドアに向かって歩き出す蓮に向かって叫び、呼び止める。





「初めて柚姫を見た時、俺と似ているものを抱えていると思った。だけど、俺と柚姫は違った……」



蓮の表情は見えない。けれど、その後ろ姿が泣いているように見えた。


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