セカンド レディー
「俺たちは、霜華をもうひとつの家族のように思ってる。どんな時も愛する仲間がそばにいる。どんな悲しみだって、俺たちが埋めてやる………」
そっとあたしの体を抱き寄せる、流牙くんの左腕。
"愛する仲間"
その言葉だけが、あたしの中で大きく響いた。
『…愛してるわ』
ママも……。
『愛してる……。誰よりも、ずっと……』
蓮も……。
あたしが愛おしいと思った人はみんな、あたしに"愛してる"を伝えてくれた。
だけど、その人を愛おしく思えば思う程、あたしの前からいなくなる。
どう言葉に表せばいいのか分からないこの気持ちは、苦しくて、怖くて、辛くて、だけど、愛おしくて、温かくて、優しい………矛盾した気持ち。
それなのに、どうしてだろう……。
よく分からないこの気持ちを嫌いになれない。憎めないんだ………。
むしろ、ずっとこの温もりを抱いていきたいと思う。