セカンド レディー
別にあんたに好かれても嬉しくない。
ていうか、誰かに好かれようなんて1ミリも思わない。
むしろ嫌われた方が楽でいい。
そう、思うのに……。
「なんなのアイツ……っ!!」
保健室を出ると、授業をサボるのに使っている空き教室に入った。
抑えきれない怒りを露わにするように、バシンッと音を鳴らしながらドア閉める。
「あー、マジムカつく…っ!」
イスに腰かけると、目の前の机を思いっきり蹴飛ばした。その瞬間、さっきよりも激しい音が、教室内に響き渡った。
この空き教室は、周りに他の教室がないため、人が通ることもない。
おまけに、教室棟の方が騒がしいため、あたしがどれだけ物音を立てようが気づくはずないんだ。