セカンド レディー
「柚姫、それ……」
低い男の声。
見られた……っ?
さいあ……
「……て、なぁんだ。恭平くんか…。驚かさないでよ」
見られたのが彼だと分かると、少しだけほっとする。
「学校でタバコ吸ってんじゃねぇよ。バレても知らねぇぞ」
机に寄りかかるあたしと、その机と対になるイスに腰かける彼。
流石に、相手が恭平くんだと言っても、男の前でタバコを吸いたくないため、携帯灰皿にしまった。
「ねぇ、ここがあたしの場所だって知ってるよね?あたしだって、1人になりたい時くらいあるんだけど」
「そのことで一言伝えようと思って」
伝える…?
って、何を?
そんなことを思ったのもつかの間。
再び、教室の扉が乱暴に開けられた。